WMTに申請しても消せないサイトリンク、手だてはあるの?


sitelinks

自社名やサービス名で検索した時に表示されるサイトリンク。
このサイトリンクの制御方法が以前と現在でかなり変わっていることをご存知でしょうか。
例えば、「出ているこのページをサイトリンクから消したい。」と思ってGoogleウェブマスターツールのサイトリンクから順位を下げる申請をしても以前はサイトリンクから消えたのに、現在はなかなか消えない。なんてことにお困りの方かなりいらっしゃると思います。私自身、2012年頃にはサイトリンクから下げる申請をウェブマスターツールで行えばほぼ申請が通り、サイトリンクから希望のURLの順位を下げることができていたように思います。しかし、2013年の後半頃から制御がしづらくなり、容易に順位を下げられない事例が増えてきたように思います。以下のような質問もプロダクトフォーラムで見受けられます。

サイトリンク設定の効果が現れません。
https://productforums.google.com/forum/#!topic/webmaster-ja/fRsYzuVcl4Y

ウェブマスターツールのサイトリンクの設定で優先順位を下げたが、引き続きサイトリンクが表示されづけています
https://productforums.google.com/forum/#!topic/webmaster-ja/qp1LsnuofN0

ウェブマスターツールでの申請を最初に行うことはもちろんですが、それでも順位が下がらない時にどうすれば良いのか。また、この仕組みを理解すると、「下がらないページを下げる」だけでなく、「サイトリンクに表示したい」ページを狙って出す。なんてことにも応用できるかもしれません。

例えばこんなサイトリンクの依頼ケース

client「うちの社名で検索した時にね、採用のページをこのほら、下のリンクが並んでいるところに出したいんだけどさ!そんでもって、この社員紹介ページこれは出さないようにしたいのよ。」

要件

  1. 「採用ページ」をサイトリンクに出したい
  2. 「社員紹介ページ」をサイトリンクから消したい

5-3「あ、サイトリンクですね。そこに出したくないページの申請はウェブマスターツールでできるんですけどねー。さらにいうと最近は全部消えるわけではないんですけどね。希望のページを出すのは出来ないんですよー」

サイトリンクのありがちなSEO対応

上記の新人くんを例にすると

    1. サイトリンクに出したいページを制御することは不可能です
    2. リンクが集まったり、そのキーワードと関連性が強いと判断されているであろうページはサイトリンクツールに申請しても消えないことが多いです

(→つまりは狙ったようにはできないので期待しないでくださいねって意味合いで返されることが多い)

client「ふうんサイトリンク。そのサイトリンクにね、出るのと出ないのじゃ、だいぶ違うんだよー。何とかしてくれよ新人くん」

5-3「ぐむむ」

2-2「絶対!とは言い切れませんがサイトリンクから消えずらいページを消し、希望のページを出す方法がないわけではありません」

client5-3「まじ?」

というわけで今回のテーマは、

サイトリンクの仕組みが分かれば、消したいページ、出したいページの制御が可能かも

というわけで、まずは念のため、サイトリンクとは何なのかおさらいしつつ、仕組みを把握しましょう。

そもそもサイトリンクとは?

下記はGoogle検索で「成田空港」と検索した際に出現するサイトリンクです。

narita_cap_01

このサイトリンクの最下部、「narita-airport.jpからの検索結果 ≫」このリンクをクリックすると、このドメイン内で検索された”検索したキーワード”に関連するページが表示されます。

検索構文としては「site:ドメイン 対象ワード」です。ではこのドメイン内で検索されたキーワードに関連するページ一覧とサイトリンクを見比べます。

narita_cap_02

2-2「なにか気づくことは?」

5-3「はっ、これ並び順がほとんど一緒ですね・・」

その通り!並び順がほとんど同一であることがわかります。では、他のサイトも見てみましょう。

  • 「ヤフー」の場合

yahoo_cap

  • 「ミスタードーナツ」の場合

misudo_cap

 

やはり同じように、サイトリンクとsite:での結果がほぼ同一です。

Google先生曰くサイトリンクとは?

Googleのサイトリンクについての説明を見てみましょう
https://support.google.com/webmasters/answer/47334?hl=ja

サイトリンクは、ユーザーの役に立つと Google が判断した検索結果についてのみ表示します。サイトの構造が原因で Google のアルゴリズムが適切なサイトリンクを見つけることができない場合や、サイトリンクとユーザーのクエリとに関連性がないと思われる場合、サイトリンクは表示されません。

つまり、「成田空港」と検索したユーザーに役に立つリンクを表示するために「成田空港」というワードとドメイン内(narita-airport.jp内)で「関連性の高い」ページをサイトリンクに出しているということになります。

サイトリンクの制御を試みるにはどうしたらよいのか?

「site:ドメイン 対象ワード」。この構文で検索した結果は、関連性が高いとGoogleが判断している順に近いと考えられていることはご存知の方は多いと思います。これを応用すれば良いのです。
そのため、どうしたらよいかというと

  • 下げたいページは「site:ドメイン 対象ワード」での結果で下がるようにサイト名やサービス名との関連性を薄める施策を行う
  • 上げたいページは「site:ドメイン 対象ワード」での結果で今、出ているページよりも上がるようにサイト名やサービス名との関連性を強めてあげる

上記を試してみてください。

client「理屈はなんかわかったけど、実際にはどうすれば社名で検索された時にうちの採用のページがサイトリンクに出るようになるの?」

2-2「御社の場合、”採用ページ”を社名と関連性が高い状態にしてあげることが必要です。たとえば・・」

  • グローバルナビゲーションに採用情報へのリンクを追加する(サイト内のどのページからもリンクが張られている状態にする)
  • title要素に「採用情報」と「社名」をきちんと入れる
  • 「採用ページ」のテキストに社名が含まれるようにする
  • 「採用ページ」への内部リンクのアンカーテキストに社名を含める
  • 何か手だてがあれば採用ページに外部からリンクが張られるような施策を実施する(あくまでもナチュラルリンク!)

つまり・・・

  • 内部リンクを対象ページに集める仕組みにする
  • title及び文章に配慮

SEOでは当たり前の内部リンクとテキストの見直しですが、基本は同じですのでこの辺りを意識されて関連性を薄めたり、関連性を高めたりして、出したいページ、消したいページの制御をトライしてみてください。

また、どんなページでも実施可能ということでは無く、あくまでも社名、サービス名と親和性が高いことが重要です。更に、大規模なサイトでサブドメインでサービスが分かれていたりする場合、1つのページを狙って関連性を高めようにも、なかなか難しいものになるかと思います。

中規模程度のサイトですと比較的行いやすいです。

まず、サイトリンクに表示させたい希望のページが、
「site:ドメイン 対象ワード」で検索して、どのくらいの位置にいるのかを確認して、現時点での関連性の判断がどの程度なのかを認識しましょう。

その時点で、20位以内にいれば、内部リンクの追加やtitle、文章の見直しでサイトリンク表示を獲得できる可能性は高いです。ポイントは、今表示されているページよりも関連性を高めることなので、その視点でいくつか上記のような策を講じられるとよいです。

client「なるほどね。じゃ、新人くん、提案よろしくね」

5-3「ふぁっ」

おまけ:サイトリンクはパーソナライズで変化する?

サイトリンクはパーソナライズで変化することがあります。以下は私が「デイリーポータル」と検索した時のパーソナライズONとパーソナライズOFFの状態です。

 

daily_cap
パーソナライズONの方には「デカい寿司作りました」と出ますが、パーソナライズOFFの方には出ません。ちなみに、この「デカい寿司作りました」という記事はかなり気になるタイトルですが、見たことは無い記事です(笑

そもそも、このようにパーソナライズによってサイトリンクの表示に差異があることもあるので、しっかりとパーソナライズを切った状態でサイトリンクを確認することをどうぞお忘れなく。

というわけで、今回はウェブマスターツールに申請しても下げられないページをどうやったらサイトリンクから下げられるか?(もしかしたら上げたいページの制御も?!)というお話でした。

実際に行う場合は、対象のサイトと出したいページによって、最適な施策はそれぞれあるかと思います。サイトリンクが表示される仕組みを応用することで、出来ないと思っていたサイトリンク領域の対策ができるかもということを覚えてくださるとうれしいです。